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お店にある商品持ち出し検出器 [日々のこと]

先日、家の近くにあるあまり大きくない書店で買い物をしていたときのことです。入り口付近に設置されている商品持ち出し検出器が鳴ったのですが、ひっかかった人はそのまま退出してしまい、お店の人も追いかけることはありませんでした。

持ち出し検出器というのは、商品に貼ってあるICタグと検出器から成り立っていて、ICタグがついたまま持ち出そうとすると検出器が警報を出すしくみになっています。家電量販店で広く普及していますが、最近ではあまり大きくない店でも導入されているのですね。
検出精度がどの程度なのかはわかりませんが、ICタグ以外のものでも反応してしまうことはあるようで、アラームが鳴ったからといってクロであるとは限りません。お店側としては万引き防止の為に設置しているのでしょうから、アラームが鳴ったらお客に確認させてもらうというのは筋が通っています。

ところが、私はアラームが鳴ったからといって店員がお客に確認を求めている風景を今まで見たことがありません。その理由は単純で、店員がそこまで手が回らないから。家電量販店は最近はフロアにいる店員の数が少なくて、商品について説明してもらうのも一苦労ですし、個人商店ではお客が支払いで列を作っているときにアラームの対処をするのは難しいと思われます。私が先日目撃した光景もまさにそんな感じでした。

とすると、この検出器で万引きを現行犯で捕まえるのは無理。。それでは一体何のために設置されているのかというと、”威嚇”の意味合いが大きいのでしょう。防犯カメラの画像と併せて、アラームを鳴らした人物はビデオにちゃんと残るわけですしね。商品をこっそり盗もうとした奴を未遂で終わらせる作用もあるかもしれませんが、アラームが鳴っちゃったら盗もうとしたことがバレバレですし、すごすごと返しに行くのもちょっと考えにくいかな、と思います。だから、このシステム真の狙いを考えると、商品全部にICタグを付けなくても適当に一部に付けておいても効果はさほど変わらないのではないでしょうか。

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『生命-永遠を志向するもの』、丸山圭藏著、共立出版(1979) [自然科学]

36年前に出版された、大学1,2年生向けの生命科学入門書。私が大学2年生のとき、植物学の先生から、「ちょっと癖があるけど、面白いから読んでみたら」と紹介されたのでした。しかしその当時で既に入手は難しく、ずっと心に引っかかっていてようやく古本屋で入手したのが1998年、そしてめでたく先日2015年の10月に読了!

特に分厚いわけでもなく、書かれている内容が非常に何回というわけでもないですが(もちろん日本語で書かれています)、植物学の先生が「癖があるけど」といった理由はなんとなくわかります。ちなみにこの植物学の先生もかなり癖のある人でした。

著者の丸山先生は植物学科を卒業されており、細胞生物学を専攻したと紹介されています。つまり、理学の人ということです。内容としては、細胞から人間の将来までを網羅的に紹介し、その所々に古今東西の哲学者や詩人の科白が引用がちりばめられています。もちろん書かれている内容は実験により証明された、その当時で妥当とみなされる科学的な真実に基づいていますが、「生命」とは何なのか、トータルに捉えようとした姿勢が強く伝わってきます。人間の生物学(第7章)は最後に配置されており、人間は生物の(ほんの)一部に過ぎないという立場からの記述になっています。医学系の人には違和感があるかもしれません。また遺伝子工学や細胞工学などの応用的な話はほとんど含まれていません。

非常に古い本ですし、知識を取得するという意味で読む価値はほとんどありません。でも生命をどのように捉えようとしたのか、その姿勢を読み取るのであれば面白いと思います。この本が書かれた時代では入門書だったのでしょうが、今手に取るのであれば生物学をきちんと勉強した、大学4年生以上でないと意味が無いかもしれません。

でも、私はこの本を神田の明倫館で見つけたのですが、AMAZONにちゃんと入っているのですね。世の中便利になったもんだ(笑)



生命―永遠を志向するもの

生命―永遠を志向するもの

  • 作者: 丸山圭蔵
  • 出版社/メーカー: 共立出版
  • 発売日: 1979/02
  • メディア: 単行本



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数覚その2 [自然科学]

数覚についての話を続けます。

私は(数式なしの)宇宙論や量子力学が好きです。最近はこの分野を研究している研究者が書いた啓蒙書がたくさん出ていますが、数式が入ったもの、数式は入っていないが科学的な厳密さをなるべく保とうとしたもの、それ以外とだいたい3つに分かれます。一番最後は、数式が無く身近なイメージで説明しようとするものです。

この、3つのタイプの啓蒙書(ここで言う啓蒙書とは、専門課程に学ぶ学生や研究者を対象に書かれたものではない、という意味)は同じ内容を扱っていても、アプローチが異なります。

例えば、ブラックホール。数式が入った啓蒙書ではアインシュタインの一般相対論の数学的な解に現れるといった説明になって、特異点では物理法則が破綻すると述べられます。数式なしの啓蒙書ではこういったことが言葉で説明されるわけですが、ブラックホールが実在するのであれば特異点も実在するわけですし、そこで何が起きているのかを言葉で説明するのは至難の業です。

また、宇宙が膨張しているという話があります。数式なしの啓蒙書では宇宙を風船に例え、風船に息を吹き込んで膨らませるのを宇宙の膨張の例えとしていますが、それならば風船が存在する空間に相当するものは何なのかといった疑問が湧いてきます。それは我々が知っている物理学では調べられないと言われても、腹に落ちるような理解は難しいでしょう。事実、風船の例えは混乱を招くので望ましくないと批判する科学者もいます。

私は、数式ありの宇宙論や量子力学を楽しむための感覚を持っていませんが、これらを直感的に理解するのはおそらく無理。啓蒙書をいくら読んでもある一線より先へは行けないことがわかったので(あたりまえですが)、最近ではこの分野の数式無し啓蒙書を読むのは止めています。これらを正確に理解するには数式ありの本を理解しなければならないのでしょうが、そのために必要なコストはかなり膨大なように思えるので、結局のところある一線を越えられないのです。

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人身事故の時の車掌さんの対応 [日々のこと]

昨日、中央線(東京都を東西に走る幹線)に乗っていたら、人身事故に遭遇しました。事故が発生したのは高円寺駅で、乗っていた電車は中央特快だったのでこの駅は通過するはずだったのが、ホームの中間付近で人に接触したとかで緊急停止。ちょっと触れたという程度では済まなかったようで、結局1時間近く遅れました。

緊急停車した電車はホームの途中で立ち往生し、後ろの車両はホームにかからずにドアを開けられませんでした。負傷者の救出作業は難航し、事故発生から20分くらい経って、ホームにかかっている車両のドアのみを開け、乗客を外に出すとのアナウンスがありました。作業のためいったん電車の電源を落とすとのことでエアコンも止まり、車内の温度は上昇、結構人が乗っていて混雑しており、お年寄りや子どもも乗っていたので結構大変だったと思います。(私が乗っていたのは最後部の車両です)

後からわかったことですが、この電車は10両で4両と6両をつなげた編成になっており、途中に運転台があったのでそこから先の車両へ移動できないのです。つまり、後ろの車両に乗っていた乗客は、電車が完全にホームに入るまでは外に出ることはできなかったのです。

車掌さんと乗客が交わしていた会話を漏れ聞くところによると、電車の電源が落ちてしまうと車内アナウンスも不可となり、さらに外との連絡も取れなくなってしまうとのことでした。事実、状況を知らせに駅員が徒歩で車掌さんのところに連絡に来ていました。

車掌さんは、当然この電車の編成のことは知っていた筈です。しかし電源が落ちる前にそのようなことをアナウンスで知らせることはありませんでした。乗客にちゃんと状況知らせろよ、という見方もできますが、しかし。。

全部正直に言ってしまうと、直ぐに電車から降ろせというお客さんが出てくる可能性が高いでしょうし、小さな子どもを連れたお母さんは不安に思うでしょう。しかしながら、乗客を線路に降ろすとなると誘導のための係員が必要ですし、平行して走っている中央緩行線も止めなければなりません。この電車の直ぐ後にも電車が駅間で立ち往生しており、そちらの乗客も降ろすとするとやはり誘導が必要です。高円寺駅にそんなにたくさんの駅員がいるとは思えませんし、応援を頼んで準備するにしてもそれなりに時間がかかるでしょう。線路を歩かせる際の安全性上の懸念もあります。だったら移動できない乗客は車内に出来る限り留まってもらい、具合が悪くなった人が出たらその都度対応する方がベターという判断は充分にアリです。

乗客が降り始めているはずなのに、30分以上経っても電車から降りられないのは何故??ときっとみんな思っていたと思いますが、騒いだり具合が悪くなった人は(すくなくとも私が乗っていた車両には)いませんでした。

まとめると、

1.人身事故で電車が止まり、車内から出るには線路に降りることが必要だった。
2.車掌さんはそのことを(たぶん)敢えて乗客にアナウンスしなかった。
(もし知らせたら、直ぐに下ろせという乗客が出てくる可能性があった)
3.結局1時間近く経って電車は動いたが、車内トラブルは特に発生しなかった。
4.もし乗客を線路に降ろしていたら、莫大な手間と安全上の懸念に対応する必要があった。リスクベネフィットの観点から、降りられない乗客は敢えて車内に留まらせる判断をしたものと思われる。

それではどれくらい経過したら乗客を線路に降ろして脱出させるのか、今回はそこまでわかりませんでしたけど、○時間経過したらか、あるいは乗客○○人以上が問い合わせてきたらとかで決まっているのかもしれません。


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数覚 [自然科学]

小平邦彦という数学者が書いた、『怠け数学者の記』というエッセイがある。米国留学時代の覚書や日々書き溜めた雑文(何らかの雑誌に掲載されたもの)の寄せ集めなのだが、この中に「数覚」という面白い記述がある。小平氏によれば、数学は高度に感覚的な学問であって、数学における発見とは自然のなかに埋め込まれた数学を彫っていくようなものだという。そのために必要な感覚が「数覚」であって、この感覚が無いと数学の理解はまず不可能だという。

この、感覚による理解というのは、少なくとも自然科学に広く普遍的な事象であって、遺伝子や酵素といった生命科学の理解もやはりある種の感覚が必要だ。面白いのは、小平氏は数学でも専門が違うと理解できないと言っていて、それは分野が違うと必要とされる感覚が異なるからだという。酵素や蛋白質は理解できても遺伝子が理解できないことあるが、それも全く同じことが起きていると思われる。教科書を見れば一目瞭然だが、生化学とバイオインフォマティックスはかなり異なる。

医学というのは人間の生物学であり、病気を治すための学問体系であるが、医学部みっちりとトレーニングを積むことでヒトという生物の正常、異常についての感覚が発達し、これは医学部でしか身につけることができないといったことを読んだことがあるが、これも同じことである。

それでは、だいたいどのくらい時間をかければこの「感覚」が身につくかという話は、また別の機会に。


怠け数学者の記

怠け数学者の記

  • 作者: 小平 邦彦
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1997/09
  • メディア: 単行本



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ケン・オーレッタ/土方訳『グーグル秘録』、文春文庫(2013) [社会科学]

600ページ超の文庫本である。グーグル幹部をはじめ、フェイスブックやマイクロソフトの要人にもインタビューしてまとめた詳細なレポート。生データ(要人が話したこと)が豊富に引用され、臨場感は抜群。

Googleの歴史とは、この会社未だ終わってはいないが、技術好きのオタクが自分たちの発明にとことんこだわり、大成功したという話。莫大な収入に結びついたのはその通りだが、それは本質ではない。本質の部分は、極めて優れた技術(この場合は検索技術)はの使い道は後から発見されたという点である。Googleは、自分たちのビジネスは”広告業”であると意識したという下りがそれだ。こういうのがコンピュータサイエンスだけでなく、普遍的に普及させられるようなビジネスモデルはないものか?


グーグル秘録 (文春文庫)

グーグル秘録 (文春文庫)

  • 作者: ケン オーレッタ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/09/03
  • メディア: ペーパーバック



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先日の弓道 [弓道・武道]

昨日、久々に道場へ行って稽古した。午前中一杯で矢数は30本くらい。
道場に来ていた人数が少なかったこともあり、すぐに順番が回ってくるので四つ矢はきつい。一手ずつ引いて負荷がかかりすぎないように注意したが、それでも最後は肩が負けて結構辛かった(^^;
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『分子からみた生物進化』、宮田隆著、講談社ブルーバックス(2014) [自然科学]

☆☆☆☆★

分子進化の入門書で、結構詳しく書かれている。生物学の講義を履修している大学生にお勧め。

分子進化のアプローチ自体はかなり昔からあるが、DNAという生体高分子のダイナミックに振る舞いに感動を新たにした。生物進化という一見複雑な現象が、このDNAの化学的な振る舞いできちんと説明できてしまうということに、分子進化の醍醐味がある。

また、生物が生きているという機構がどのように進化してきたのか、細胞内情報伝達系の進化はそれ自体が面白いだけでなく、医薬品開発などへの応用可能性を秘めている。一つの情報伝達系を使い回すのであれば、そこに作用する医薬品には様々な副作用を有すると予想できる。人間にとって不都合な反応だけを特異的にたたくというのは、本来とても難しいものなのだろう。


分子からみた生物進化 DNAが明かす生物の歴史 (ブルーバックス)

分子からみた生物進化 DNAが明かす生物の歴史 (ブルーバックス)

  • 作者: 宮田 隆
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/01/21
  • メディア: 新書



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「知子の情報」のWindows 7/8.1対応版が発売開始 [日々のこと]

Windows 7で動作する「知子の情報」が発売された。正式には「知子の情報 for Waffle Cell」、ソフトのバージョン情報では「知子の情報Pro versionは11.05J forWC」となっている。

ご存じの方は少ないかもしれないが、これはテキスト型データベースというソフトで、テキストに索引情報などを付けて保存するものである。私はPC-9801のMS-DOS時代からバージョンアップを繰り返して使っていたのだが、Windows 7対応版が出なかったため2年ほど使用を断念していた。Windows 7のXPモードでは動作したのだが、切り替えが面倒くさくて使い物にならない。

私は読書記録をずっとこのソフトでつけていたのだが、Windows 7に換わってから中断していた。これでまた再開できて記録が蓄積できるのはありがたい。アクセスに切り替えるのは断念(笑)

開発元がなぜWindows 7対応版を今まで出さなかったのかは謎だが、このTEGLETという会社はちょっと変わっていて、まあ遊び心があると言えるのだが、個人向けサーバーなるものを開発販売してそこに「知子の情報」を載せていたらしい。面白いとは思うけれど、やはり単体で動作するアプリも平行して作成しプロモーションするのが基本ではないか?と思ってしまう。

「知子の情報」は手軽に使えて便利なソフトなので、一見の価値あり↓
http://www.teglet.co.jp/
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宇宙が始まる前には何があったのか?、ローレンス・クラウス著、青木訳、文藝春秋社(2014) [自然科学]

☆☆☆☆★

宇宙論の啓蒙書で、最新の理論まで盛り込んで解説してあるので面白い。時折読み返して楽しむことができる、良質の本。どうも、宇宙論というのは直感的にわかりにくいので、興味を持ったらこのような啓蒙書を続けて何冊か読むと、なんとなくイメージが掴める。

仮想粒子が実在すると仮定して水素原子の量子力学を考えると10億分の1の精度でその振る舞いを記述できるとは驚きだ。

それにしても、東京郊外のさほど大きくない書店でこの本が平積みされていたのには驚きである。それなりに売れると見込んで入荷したのであろうか。ここは学生町ではないので学生さんが買うのを当てにしたわけではなく、購入者としては地元住民を想定したのであろうが。世間の知的興味レベルを考える上で、興味深い現象である。


宇宙が始まる前には何があったのか?

宇宙が始まる前には何があったのか?

  • 作者: ローレンス クラウス
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/11/29
  • メディア: 単行本



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