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押井守、『凡人として生きるということ』、幻冬舎新書(2008) [エッセイ・随筆]

アニメ映画監督、押井守氏のエッセイです。

この人の作品の大ファンというわけではないのですが、「スカイ・クロラ」は記憶に残っています。全体的に哀しいトーンの作品で、永遠に大人にならない子どもたちによる、戦争請負企業による代理戦争という、ちょっと考えつかないような大がかりな話でした。登場人物を子どもに限定したので、ドロドロした人間関係を回避できて、その分やるせなさが強く打ち出したような作品でした。

さて、この本について。第1章の「オヤジ論」は逸品ですね。オヤジというのはその時の社会情勢で自動的に決まってしまうものと定義されているのですが、オヤジは無意味なことに興味を示さないし金を使わない。もしそうでないオヤジがいれば、それは人間的に未熟なんだと論じています。ああ、なるほどねえ、ビンゴ!

もうずいぶん前ですが、チョイ悪オヤジとか、やんちゃ買い(=大人の衝動買い)という言葉が雑誌などに出たことがありましたが、あまり流行らずに消えていったように思います。その理由が見事に分析されていて、面白かったです。オヤジをそそのかして財布の口を開かせようとしても、それは無理だということでしょうか。押井氏のこの分析は、若さに価値などないという主張とカップリングしていて、社会的に見て若者の利用価値は低いということとセットで語られています。クールな分析で面白いです。


凡人として生きるということ (幻冬舎新書)

凡人として生きるということ (幻冬舎新書)

  • 作者: 押井 守
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: 新書



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