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数覚その2 [自然科学]

数覚についての話を続けます。

私は(数式なしの)宇宙論や量子力学が好きです。最近はこの分野を研究している研究者が書いた啓蒙書がたくさん出ていますが、数式が入ったもの、数式は入っていないが科学的な厳密さをなるべく保とうとしたもの、それ以外とだいたい3つに分かれます。一番最後は、数式が無く身近なイメージで説明しようとするものです。

この、3つのタイプの啓蒙書(ここで言う啓蒙書とは、専門課程に学ぶ学生や研究者を対象に書かれたものではない、という意味)は同じ内容を扱っていても、アプローチが異なります。

例えば、ブラックホール。数式が入った啓蒙書ではアインシュタインの一般相対論の数学的な解に現れるといった説明になって、特異点では物理法則が破綻すると述べられます。数式なしの啓蒙書ではこういったことが言葉で説明されるわけですが、ブラックホールが実在するのであれば特異点も実在するわけですし、そこで何が起きているのかを言葉で説明するのは至難の業です。

また、宇宙が膨張しているという話があります。数式なしの啓蒙書では宇宙を風船に例え、風船に息を吹き込んで膨らませるのを宇宙の膨張の例えとしていますが、それならば風船が存在する空間に相当するものは何なのかといった疑問が湧いてきます。それは我々が知っている物理学では調べられないと言われても、腹に落ちるような理解は難しいでしょう。事実、風船の例えは混乱を招くので望ましくないと批判する科学者もいます。

私は、数式ありの宇宙論や量子力学を楽しむための感覚を持っていませんが、これらを直感的に理解するのはおそらく無理。啓蒙書をいくら読んでもある一線より先へは行けないことがわかったので(あたりまえですが)、最近ではこの分野の数式無し啓蒙書を読むのは止めています。これらを正確に理解するには数式ありの本を理解しなければならないのでしょうが、そのために必要なコストはかなり膨大なように思えるので、結局のところある一線を越えられないのです。

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