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クリステンセン著/玉田ら訳『増補改訂版・イノベーションのジレンマ』、翔泳社(2001), \2000 [社会科学]

クリステンセン著/玉田ら訳『増補改訂版・イノベーションのジレンマ』、翔泳社(2001), \2000
ISBN4-7981-0023-4 C0063
☆☆☆☆★

「技術革新が巨大企業を亡ぼすとき」という副題付き。ビジネススクールや経営学では定番の教科書とのことだったが、読んでみると非常に面白い。たぶん色々なところでこのネタは使われると思うので、ホワイトカラーの人は読んでおいて損はないだろう。

企業努力→商売の成功→新製品の開発→さらなる商売の成功の流れを正のスパイラルという(右肩上がりとも言う)優秀な人材を抱え、顧客の意見を良く聞いて製品(サービス)にも反映させ、経営陣は優秀とくれば、怖い物なしに見えるだろうが、いや実はそのなかに失敗の原因が隠されている、というのが本書の主なメッセージだ。著者はそれを様々なデータで裏付け、その原因を突き止めていっている。いくつかの実例が挙げられているが、最もデータが充実していて丁寧に分析されているのが、ハードディスク業界である。PCが好きな人にとってはわかりやすいかもしれない。

いったんこうと方向性が定まってしまうと、優秀な組織ほど柔軟な変更が難しくなって環境の激変に対応できないという話でもある。それが、ビジネスに寿命がある主原因であろうか。ずっと勝ち組でいられるという話は、残念ながら無い。

ひとつの企業の中で、2つのコスト構造、収益モデルを平穏に共存させるのは極めて難しい、という指摘がある。これはさしずめ、製薬企業であれば先発薬と後発医薬品のビジネス、あるいはOTC、大衆医薬品のビジネスが該当するかもしれない。もちろん、いったん売りが立ってしまえば先発医薬品の方が収益率が良い。日本の製薬企業が大衆薬ビジネスを手放したり、後発薬ビジネスを別の事業本部にしているのは、クリステンセンの考え方に則っているのだろう。

以上


イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

  • 作者: クレイトン・クリステンセン
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 単行本



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